法改正でよかった反面…

今月4日に6歳未満の脳死判定を受けた男児から肝臓の提供を受け、移植手術を行った10歳未満の女児が無事に退院したというニュースがありました。6歳未満では国内初となる脳死判定。平成22年7月に全面改正となり、15歳未満からも臓器提供ができるようになってから2年目にして、初ということだそうです。

ただ法改正後も移植を受けられず命を落とす子どもは少なくないというのが、小児科移植医療の現状だそうです。それはいくら慎重に脳死確認を行ったとしても、小児を亡くした親がすんなりと臓器提供に同意することができないという感情的な側面。そして登録前に命を落としたり、登録しても結局間に合わないという、物理的やシステム的な機能が十分とは言えないということが上げられる。実際に制度が整ったとしても、小児の臓器移植ができる医師が不足したのでは、助かる命も助けることはできない。

また、毎年減り続けている診療科のトップに出てくるのが、産科、小児科、小児外科であることからも、新生児や小児の命を守る体制が弱くなっていることが現実だ。看護師になった人が看護師を目指した理由の上位にあるのが、「病気と闘う子どもの力になりたい」というものだ。でも実際に就職してみると診療科が少ないことに比例して看護師の求人も少なく、他科で働きながら小児科看護師を目指している人は多い。技術的にも難しい小児の手術は、医師にとってもさまざまなリスクを持っている。

だから責任を医師だけに持たせるのではなく、病院や施設、あるいは地方自治体や国もリスクを担保するようにして、小児外科の専門医を増やしていかなければ、少子化時代に子どもを守りきることは難しいと思う。子どもは社会の宝なのだから、社会全体で守っていくという意識に変えていく必要が今後出てくると思います。