看護学にも博士課程

2013年4月に県立和歌山大学に看護学の博士課程が新設されることになったようです。大学院保健看護学研究科保健看護学専攻(博士課程)の設置が文部科学省に認可されたと発表されました。入学定員3名の狭き門ですが、看護の高度化に伴う人材育成環境が拡大されることに期待が寄せられています。

先日も富山県で、18未満の児童の脳死患者で、本人の意思確認ができない場合の臓器移植を巡り、児童相談所が虐待についての情報を提供することについて、同県の個人情報保護審議会は適切という判断を下しました。

厚生労働省のガイドラインでは、臓器提供者が虐待を受けた形跡のある18歳未満の児童である場合には臓器を摘出しないとなっています。県の条例では、必要に応じて審議会を開き個人情報の提供をするかの判断をしていたのですが、これからは直接医療施設が問い合わせできるようになり、移植までの対応が早くできるようになったわけです。

ここのところかなり表面化してきている児童虐待ですが、児童相談所や学校、保育園教諭が養育者に対して質問や観察をしても発見できない場合も少なくありません。児童の体に残った痕跡など、わかりやすい部分に疑いを証明するものがあればそうでもありませんが、やはりデリケートな問題ですから、医療の専門知識と経験を持った人間も協働して関わることが望まれています。そしてその第一人者として期待が高いのが看護師です。

看護師は医師以上に患者と関わる時間も長く、身体的な治療だけでなく心の状態を把握する経験を多くしているからです。もちろん看護学校や認定看護師の資格講習などでは、そのあたりも学ぶ過程がありますが、さらに深く突っ込んだ研究となると、限られた環境しかなかったわけです。

今回、和歌山県で始まることになった看護学の博士課程ですが、こういった環境が全国的に整ってくることで、より一層スキルの高い看護師を育てる指導者が増えることになります。子どもは間違いなく社会の宝です。そして加速する高齢化社会に対応できる人材を増やしていくためにも、こういった環境整備は大切だと感じます。